Course教員/研究室

機器分析化学・錯体化学

藤原 学 教授

Fujiwara Manabu

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

高校の時から化学が好きでしたね。大学学部生のときに総合科学としての分析化学に興味を持ちました。
将来性もあるし、いろんな分野とも結びついているのでおもしろいと思いました。大学の時の研究室は、合成を中心として分析(クロマトグラフィーとイオン選択性電極)と遷移金属錯体をやっていた研究室でした。
歴史からいうと、もともと分析化学は、無機系で、無機化学に近かったんです。定量するというと金属イオンの定量をすることが中心にあり、重量分析、容量分析、電気化学分析などの無機分析が多かったように思います。
有機系の分析は、有機合成系の研究者が各々でやっていましたから。
分析も今では、物理化学が中心になっていますね。

取り組んでおられるテーマは?

金属錯体の電子の関わりを研究しています。金属と配位子との配位結合の強さや錯体の構造を中心にした研究です。最近は対象を広げ、遷移金属以外の金属イオンを含む材料の評価も行っています。
また、龍谷大学が所蔵する大谷コレクションなどの考古学資料を対象とした研究も行っています。(考古科学分析)
もう一つ、環境(水・土壌)試料の分析も行っています。人の手が加わっていない状態でのどういう物質循環をしているかを知りたいという立場で研究しています。
そして、環境の本来の姿を明らかにしたいと考えています。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

学生の自主性・やる気を引き出すように努力しています。テーマについても、学生とよく相談し、学生の興味をもった内容をできるだけ取り入れるように配慮しています。
あと、いつまでやるか、とかどこまでやるかといった細かい指示はほとんどしません。自らが主体となって、楽しく実験が行えるように心がけています。
いい結果がでると、自分から積極的に進めていくようになるので、できるだけ研究の方向性を決定する初期の段階で、いい結果が得られるように指導しています。

無機合成化学 ≫web サイト

大柳 満之 教授

Ohyanagi Manshi

取り組んでおられるテーマは?

NASAとカリフォルニア大学との共同論文を発表済みです。スペースシャトルのウイングに使う素材の研究をやっています。
現在、水素の吸蔵合金の研究には力を入れています。
放電プラズマ焼結(焼結が低温度で短時間で行える方法です。)
焼結するときのパルス電流が、焼結にどのように物質移動に影響を与えているのかを基礎的研究ではあるが研究している。

世界で初めて実現した研究があると聞きましたが・・・

SiCは焼結助剤がなければ焼結しないが、助剤なしで従来言われている温度よりも低温で99.5%以上の緻密さで焼結に成功しました。
助剤なしで焼結できたという点では世界初ですね。平滑平面。表面荒さで数nm。
触針法で4nm(4mのストッパーで4nm程度のRa(表面荒さ))が実現されました。
これによって、レンズの金型への応用ができますし、CVDしかできなかったものを焼結でできる技術を現在確立中です。
本質的なものを理解しなければ、実用化の際に、なぜそれが起こるのかという原因解明に結びつかないので、非常に有効です。
現在、RECセンター長、学長補佐、私大コンソーシアムの担当も兼ねており、非常に忙しい中で学生の指導に当たっている。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

水素吸蔵は将来のエネルギー問題解決を目指して始めました。
エネルギー問題で戦争は起こりえます。そのためにはエネルギーを潤沢に確保する必要があります。
しかも自然環境負荷を与えないものを考えなければならない中で、水素と酸素を燃焼させて水ができる課程でエネルギーを得る燃料電池が有用と思いました。
そのためには水素の移動媒体・貯蔵媒体が必要になってきますよね。
そのなかで、太陽エネルギーを電気エネルギーにかえる研究もあれば、その電気エネルギーを使って、水素を造る研究もあります。
その水素をどうやって貯蔵する部分のどうやってたくさん供給するかの研究をしています。
現在、アメリカのエネルギー省が必死に、大プロジェクトとして行っている。
それをサーベイしなから、龍大の独自のやり方で解決しようとしています。
それで世界貢献を果たそうとしているんです。
宇宙は一つのロマンがあって、そこに行くために乗り物があり、その大気圏突入の為の超耐熱性材料を研究しています。
その材料をエネルギーを使わずに造り出すプロセスがあればよい。その研究を行っています。

化学を始めるきっかけは?

元々は高校の先生になる予定だったんです。教科として理科を選びました。大学生の時は親から授業料を出してもらっているので、一生懸命勉強しなくてはならないという思いでやっていたところから、研究の世界にどっぷりと浸かって、はまってしまいました。
僧侶であるので、元々滋賀に戻ってくるつもりだったんです。
私の場合は、国内のみならず外国にも支えてくれる人がいるということが大きいと思います。そういうご縁の中で今の研究がそういう方向に進んでいる。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

チームワークで行うように指導しています。実践力を主において指導はしていません。私は即実践力になる人を育てるという視点では考えていないんです。
研究は人格形成での道具でしかないですから、大学でやることを将来の研究でやるかどうかは問題ではないんです。
研究をとおしてどれだけ壁を乗り越えたかが必要だと思っています。
成功体験をいかに行えるかが重要で、大柳研究室では道具としての「研究」は、世界最先端の一流の材料が用意されています。
それを遂行することが目的ではなくて、そういう道具と通して、人格形成する。あるいは、大学人としての教養を身につける。そういう人を世の中に出すことが必要であると考えています。
そのために、研究室で、切磋琢磨することはもちろんのこと、強調していくことが大事ですね。そういう視点が大事になってきます。
そういうところからこういういい仕事ができるんですよ。
Universityというものは、元々哲学グループから始まっています。人生の問題を議論し合う事から、形ではなくて実践するということが大切。
ですから、そのためのリーダーは一流でなくてはならない。というポリシーをもっています。
研究活動という点では一緒ですが、人生を語り合える3年間を過ごせる研究室であるように気をつけています。

有機光機能材料化学 ≫web サイト

内田 欣吾 教授

Uchida Kingo

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

単なる反応・単なる合成は好きじゃないんですよ。色がリバーシブルに変わるということに興味を持って恩師の入江正浩先生の研究室に入りました。
今は色だけでなくて、形がリバーシブルに変わる研究をしています。元々産総研にいたので、単なる合成の研究はさせてもらえなかったという経緯もあります。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

実験量をこなしていく上から自分で考える習慣をつけるように指導しています。内田研究室にいる学生達は基礎的な実験技術はついています。
ですので、社会に出ても役に立つ研究者の育成を心がけています。
あと、安全面は特に気を遣っています。夜は遅くならないように、朝は早くからやるようにと。

高分子化学 ≫web サイト

中沖 隆彦 教授

Nakaoki Takahiko

研究内容をご説明下さい。

大きく分けて2つあります。1つは高分子ゲルの分子構造解析。2つ目は生分解性高分子の創生と物性改善です。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

まず生分解性高分子ですが、環境負荷を与えない材料の研究は社会的にも要求が高まってきているからです。また高分子ゲルは機能材料としてあちこちで使われていますが、例えば溶媒がでてこないゲルの仕組みはまだはっきりしていません。様々な解析装置を用いてこの問題を解決したいと考えています。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

全てのことで全力投球でやるように指導しています。勉強もそれ以外の事も。年3回の中間報告会では、その中の1回のイントロダクションを英語で発表させる試みを始めています。グローバルな視点にたって指導するように心がけています。修士の学生には外国での国際学会参加や交換留学を積極的に薦めています。

生体機能関連化学・生命化学 ≫web サイト

富崎 欣也 教授

Tomizaki Kin-ya

取り組んでおられるテーマは?

生物機能に学ぶ未来材料創製です。つまり生物機能を利用した未来新材料をつくりだす研究です。
その内容は3つに大別できます。
1つ目は、生物のバイオミネラリゼーションに学ぶ新規有機.無機複合材料の開発です。ザリガニの殻や貝の真珠層はタンパク質と炭酸カルシウムからなる複合材料です。ここではタンパク質が炭酸カルシウム結晶同士をくっつける「のり」の役割を演じています。軽くて丈夫な理由はここにあります。その他にも体内に鉄を取り込む磁性細菌やシリカによって美しい外壁を構築する珪藻などまだまだ生物に学ぶべきことはたくさんあります。現在は、ペプチドの自己組織化能力を生かして、ペプチドナノ構造体を鋳型とする有機.無機複合材料の開発にチャレンジしています。
2つ目は、細胞内シグナル伝達機能に学ぶ生体分子情報デバイスの構築です。
細胞外からのシグナルを細胞内の核へ伝達するために、生物は酵素群を駆使して、様々な化学反応を連鎖させています。そこでは、情報の取捨選択が行われており、この原理は分子を基盤とする分子ピュティングへと応用可能です。現在は、タンパク質翻訳後修飾酵素機能に着目し、酵素反応を利用するペプチド性分子論理回路の構築にチャレンジしています。
3つ目は、天然触媒機能に学ぶ人工酵素の創製です。酵素は温和な条件にて高効率かつ高選択的な化学反応を触媒します。しかし、酵素そのものを産業応用するとなると長期安定性や厳密な基質特異性が仇となり、工夫が必要です。
遺伝子操作により酵素の構成アミノ酸を置換する研究も行われていますが、私は化学合成が可能で酸化や乾燥に耐えるペプチドに酵素機能を発現させるアプローチに魅力を感じます。特に今世紀はエネルギーがキーワードになりそうですので、水素発生機能の発現に注目しています。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

私が在籍した九州工業大学工学部物質工学科応用化学コース(当時)には化学工学、電気化学、無機材料、高分子化学、有機化学、生物工学などの講座が ありました。「化学」の分野において「生物」に関わる研究をしたいと漠然と考えていた私は迷わずペプチドやポルフィリンなどの生体機能分子を扱う研究室に配属を希望しました。
研究を開始して、私はペプチドを化学合成できること、タンパク質の様に自発的に立体構造を形成するよう自在に設計できること、また人工酵素を創製できる可能性があることを学び、ペプチドは生体内でホルモンとして機能するのみならず、未来材料の素材になりうると考えました。
現在では、いろいろな分野で高集積化、微細化(トップダウンアプローチ)が追求されていますが、自己組織的にナノスケールの構造体を形成するペプチドはボトムアップアプローチに適したビルディングブロックであると考えています。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

まず、倫理観をもった人間になってもらいたいです。職能については、社会が求める技術者あるいは研究者を輩出したいと考えています。どちらにも言えることですが、学生にはいつも「日々の真摯な努力の積み重ねが大事だ」と「思いっきり楽しみなさい」といっています。

生物有機化学 ≫web サイト

宮武 智弘 教授

Miyatake Tomohiro

取り組んでおられるテーマは?

光合成のように光エネルギーを捕集する分子の合成と味覚などが検出できる分子センサーの開発です。生体材料を使いながら役に立つものを作れるようなテーマを研究中 です。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

もともと、いろいろな構造の分子が合成できる有機化学に興味があって、その中でも生物に関係する有機化学は複雑だけれども、優れたはたらきをもつものが多く、そこに焦点を絞ってみようと思った事がきっかけですね。生き物の化学は、そのメカニズムがはっきりと分かっていないものが多い。また、どのようにこれから人間が利用していったらよいのかも不透明な部分があって、研究の対象として面白く、これから発展してゆく分野だと思って選びました

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

学生さんには、実験で起こったことをよく観察し、なぜそのような現象が起こったの かを考えることが大切であると伝えています。よい実験データとは、期待したとおりのデータではなく、実験前に立てた仮説が正しいのか、正しくないのかを実証できる データです。そのために適切な実験方法を選び、実行し、得られた結果を的確に読み取ることを指導しています。これは研究開発を行うための大切なスキルです。 また、プレゼンテーション能力向上のため、研究発表の場を毎週設けています。

機能性無機材料 ≫web サイト

青井 芳史 教授

Aoi Yoshifumi

取り組んでおられるテーマは?

機能性無機材料
金属やガラス、プラスチックなどの表面に金属やセラミックスの薄い膜を作る研究をしています。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

単に理科がすきやったからです。化学実験が好きで、まず進学先も工業高等専門学校化学工学科を選びました。
小学校中学校の先生がいっぱい実験をやってくれたおかげだと思います。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

一緒に考え、一緒に勉強して、なるべく一人の研究者として接するようにしています。
一つのテーマについて、道筋を示すんじゃなくて、一緒に方向を考えていく。一方的に指示するのではなくて、考えさせるようにしています。
作業を一緒にするということではないんですが、学生の意見を尊重しながら共に研究を進めていくようにしています。

有機合成化学 ≫web サイト

岩澤 哲郎 教授

Iwasawa Tetsuo

取り組んでおられるテーマは?

実用に直結可能な基礎化学研究。その視点で、付加価値の高い有機分子を「安く大量に、安全かつ高品質に」合成製造する研究をしています。超分子相互作用・触媒・プロセス化学・産学連携をキーワードとして研究を行っています。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

最初に研究室配属された時(当時4年)の指導教員だった富岡清先生の影響です。もともと有機化学に対する興味など一切ありませんでしたが、富岡先生の研究に対する情熱に触れたことが大きなきっかけとなって、今に至るまで有機化学に関わっています。薬学部で生物や化学、その他多彩な学問を学びたいという思いで大学に入りましたが、3年経った研究室配属の頃には「薬学」という幅広い学問にどう向き合うべきか迷っていました。そんな時、恩師・富岡先生に進むべき方向を教えていただきました。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

研究室での実験活動に没入して意味のある人間形成を行ってもらう、この一点です。実験は失敗もあり成功もあり、喜怒哀楽そのものです。そういった活動への没入を通して人としての意味ある変化を遂げてもらいたい。そのためには手応えのある成功体験を積むことが大切です。たくさんの実験を行って、成功する確率を上げることです。あとは、「明るく元気に根気よく、そして朝早く」を心がけてもらうことです。

高分子合成化学 ≫web サイト

河内 岳大 教授

Kawauchi Takehiro

取り組んでおられるテーマは?

機能構築の最小単位である原子・分子を精密に連結する技術を駆使して、新しい高分子を合成しています。
プラスチックをはじめとして、私たちの身の回りには様々な高分子材料が溢れています。また、私たちの身体にも、タンパク質やDNAなどの生体高分子が含まれ、生命機能の根幹を成しています。そもそも、なぜ「高」分子なのでしょうか。高分子とは、多数の原子・分子がつながったものですが、この「つながり」により現れてくる様々な特性があります。例えば、飽和炭化水素の場合、炭素数が1のメタンはどれだけ集めてもガスですが、炭素数1000を超えてつなげたポリエチレンは、柔軟で丈夫なポリ袋になります。また、DNAはヌクレオチドが一次元につながったものですが、このヌクレオチドの並び順によって情報を記録しています。ただ単に構成物質を集めただけでは意味がなく、「つなげる」ことが重要なのです。私の研究室では、この「つなげる」ことを主題として研究を進めています。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

化学を選んだきっかけは、「物質をつくる」ということに興味を持ったからですね。高分子を選んだのは、身の回りに溢れる材料であったからです。実際に調査したわけではありませんが、化学関連企業の多くが高分子を扱っているとも考えていました。この分野をテーマにしているのは、やはりこれまで導いていただいた先生方からの影響が大きいですね。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

「学生の皆さんにとって、最後の教育機関である」ということです。大学院修了をもって社会にはばたくわけですが、テストの点が良い人が必ずしも活躍するわけではありません。テストの答えは教科書に書いてありますが、社会で直面する問題がそんな単純であるはずがありません。科学的思考法、物事を俯瞰する能力、解析力、決断力、コミュニケーション能力、チームワークなど、問題解決には様々な能力が要求されるでしょう。物質化学科での研究活動は、学生の皆さんにとって初めての自己解決を迫られる課題になるのではないでしょうか。最先端の研究を通じて分野によらない様々な応用力を身につけ、社会で活躍して欲しいと思っています。

無機材料化学

小寺 康博 准教授

Kodera Yasuhiro

取り組んでおられるテーマは?

平衡状態から離れた構造を有する機能性材料の創生

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

米国の大学で研究を行っているときに、連邦政府研究助成金といった競争的研究資金を獲得し生き残のこっているうちに、自然と形になったテーマです。

実用化などの将来の展望をお聞かせ下さい。

国内外の共同研究を発展させ、物的から人的交流へ結びつける。世界で活躍する卒業生を生み出す研究室にしたい。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

活発なコミュニケーションを重視し、各学生が最大限成長できるように研究指導をテーラーメードします。

在学生やこれから受験する高校生に一言お願いします。

みなさんが今まで学生として学んできた基礎学問、専門知識そして、英語でのコミュニケーションなどをすべてを、日常的にもちいて研究を行います。その結果、新たな知見を獲得し、社会問題解決に貢献できる新規機能性材料を開発します。一緒に研究してみませんか?

電気分析化学 ≫web サイト

糟野 潤 准教授

Kasuno Megumi

取り組んでおられるテーマは?

生体反応と関連する特異液液界面反応の解析

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

現在の研究テーマは、4回生のときに所属した研究室で始めたものです。もともと電気分析化学がやりたかったわけではなく、別のテーマに興味があったのでその研究室を選びました(残念ながら、そのテーマの担当にはなりませんでしたが・・・)。どちらかというと電気化学は苦手意識が強かったため、卒業研究の1年間はわけも分からぬまま、あっという間に過ぎてしまいました。しかし、実験結果とにらめっこしながら指導教官と議論を進めているうちに、ふとした瞬間に「これは面白い!」と実感できたんです。その思いがあったからこそ、今でも研究が続けられるのだと思います。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

学生さんに考える場をつくるようにしています。一方的にこちらから意見をいってしまうと学生さんは受身になってしまい、自分の意見を主張できなくなります。「なぜ」という問い掛けを繰り返すことで考える習慣をつけてもらうと共に、「理解する」ことの意味を感じてもらうことを心がけています。また、研究室内のみならず学外のセミナーや学会に参加してもらうなど、学生時代に視野を広げられる環境を整えられるように努めています。

物性構造論

白神 達也 専任講師

Shirakami Tatsuya

取り組んでおられるテーマは?

セメント水和物の個別定量
セメント重水和物の構造と物性
ペロフスカイト酸化物蛍光体中の希土類イオンのサイトシンメトリーとポテンシャル深さ

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

セメント関連のテーマは浦部名誉教授の遺言です。
セメント重水和物は中性子散乱の経験があったため、現在も研究を進めています。
蛍光体は希土類イオンの結晶場分裂をたまたま知っていたと言うこともあり、研究テーマとして選びました。
進学した大学は実は第2志望だったんです。研究室配属は「あみだくじで負けた」という経緯があります。しかし、それも何かの縁だったのかもしれません。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

自主性を重んじるようにしています。助言や研究費は出しても手助けはしません。
ただし、JABEEによる最低研究従事時間は厳守させています。

学生実験

松中 岩男 実験講師

Matsunaka Iwao

担当されている分野は?

機器分析化学実験・物理化学実験などです。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

近年の測定機器は格段に進歩し、分析・測定は比較的容易になってきました。だからこそ得た結果を把握し判断する眼が必要です。機器分析化学実験では実験を 通して機器の原理やデータ解析を主に学びます。また古典的な実験も大切です。
簡便なガラス器具のみで正確なデータを得る、考え極められた先人の知恵が理解できます。物理化学実験は古典的手法にコンピュータも取り入れ実験を進めます。

学生実験

白井 健士郎 実験講師

Shirai Kenshiro

担当されている科目は?

化学基礎実験、無機合成化学実験、機器分析化学実験、地学実験

理系に進学した理由は?

中学校の頃ラグビーに熱中しており、当時県内の強豪校であった工業高校化学工業科へ進学した。入学後はラグビーに明け暮れていたが、化学工業科での授業や実験内容がとても面白く、どんどん化学へ興味を持つようになった。「研究者になって新素材を世に出したい」という思いを持つ様になり理系に進学を決めた。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

実験の目的を理解させ、安全に作業や操作を出来る様に指導しています。また、無機合成化学実験には他の実験には無い「加工工程」があります。加工が苦手な学生さんには「加工のコツ」を教えて自分自身で加工出来る様に指導しています。

電子顕微鏡

今井 崇人 実験講師

Imai Takahito

研究内容をご説明下さい。

特定のテーマは現在未設定ですが、試料を提供していただいて色々な材料(無機・有機)の観察・分析を行っています。  現在は学生が正しく電子顕微鏡を使えるように、後押しする事を優先しています。また、電子顕微鏡を使用したことがない方々にもその有効性を認識して活用いただけるように努めています。

現在の研究テーマを始めるきっかけは?

大学の卒業研究で使い始めたのがきっかけで電子顕微鏡に嵌りました。 結晶性を持つ物質の整然とした姿に感動しました。試料の作製方法が地味で根気が必要な作業ですが、このあたりも性格に合っていたのかもしれません。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

理論的な指導の際には全てを言わないようにしています。可能な限り自分で考え、調べた上で自身の力で理解してもらうようにしています。わからない場合でも、直接答えは教えずに調べ方をアドバイスします。
実際の技術的な指導の際には、その作業の危険性と回避方法を必ず理解してもらいます。試料作製や観察時には刃物、液体窒素や高圧ガスなどを使用する場合があるので、必ず自分の口で必要なことをすべて説明します。

橋本 宥右 実験助手

Hashimoto Yusuke

担当されている科目は?

化学基礎実験、有機合成化学実験、アドバンスト物質科学合成実験(有機分野)です。

専門分野は?

無機薄膜材料、プラズマ工学、理科教育です。

理系に進学した理由は?

工業高校出身で、どちらかというと手を動かす方が好きでした。高校生の時に憧れた先生が、みんな理系だったというのもあるかもしれません。

指導する上で気をつけられていることは何ですか?

とにかく安全です。化学の実験では毒物や特殊引火物など危険な試薬を取り扱います。学生が安全に実験できるようにTAとも協力しながら指導しています。また実験者が単なる“作業者”になることを危惧しており、そのあたりの指導にも力を入れています。

在学生やこれから受験する高校生に一言お願いします。

僕は化学でもっとも面白いのは実験であると思っています。ただし、実験を楽しむ上で予習(必要となる知識)は重要で、より多くを知ることで楽しく実験ができるようになります。大学生、高校生の諸君は単位や受験のためではなく、“楽しい実験”のためにたくさん知識を身につけてみてください。